PROJECT

いち早く現場に駆け付け、地域を守る。

地震や豪雨が地域を襲うとき、被害の実態を最も深く把握できるのは、地質・地盤を知る専門家です。川崎地質は、阪神・淡路大震災や東日本大震災など、大規模災害の現場に速やかに駆けつけ、盛土・堤防・斜面・砂防・地すべりといった土構造物・土砂災害の調査と復旧対策に貢献してきました。
地に刻まれた記憶を読み解く技術と、現場への迅速な対応力——その両輪で、私たちは被災地の再生と、次の災害への備えを支え続けます。

阪神・淡路大震災(平成7年兵庫県南部地震)

平成7年(1995年)1月17日の兵庫県南部地震は、戦後初の都市型直下型地震で、日本の観測史上初めて震度7を観測しました。当社は関西支社(現、西日本支社)を中心に発災直後から被災調査に赴き、国道・鉄道の被災状況調査、仁川百合野地区の造成盛土の崩壊箇所の調査・復旧設計、兵庫県の災害関連緊急地すべり・砂防事業、神戸港における埋立地・護岸を対象とした液状化及び護岸損傷調査など、インフラ復旧から土砂災害まで幅広い領域で被災地の復旧・復興を支えました。また、その後は、地域一帯の防災計画検討の基礎資料として、淡路島先山断層の調査にも従事しています。

東日本大震災(平成23年東北地方太平洋沖地震)

北日本支社を中心に発災直後から被災調査に赴き、阿武隈川堤防の破堤箇所における液状化メカニズムの解明と仮堤防の緊急設計・本復旧設計、北上川水系における樋門・樋管・護岸点検および復旧設計、仙台市内国道の路面陥没調査とPRC舗装版による復旧設計、三陸沿岸復興道路の地質調査、仙台港岸壁の空洞化調査及び三陸沿岸の海岸堤防の被災状況調査や漁港施設の復旧設計など、河川・道路・港湾海岸にわたる被災地の復旧・復興を支えました。また、広域かつ複合的な災害であったことから、全国支社からの支援により全社総力を挙げて対応し、10年間にわたる復旧・復興事業を継続的に支援しました。

表彰:仙台管内路面下空洞緊急調査設計業務(東北地方整備局)
   管内堤体内部土質等調査業務(東北地方整備局)
   強震計観測施設復旧工事(東北地方整備局) ほか

令和6年能登半島地震

令和6年(2024年)1月1日の能登半島地震に際し、当社は北陸支店を中心に被災地の復旧に貢献しました。発災直後から被災調査に赴き、河原田川の斜面崩壊箇所における斜面対策・復旧計画の策定、国道249号沿いの地すべり箇所におけるボーリング調査、動態観測機器設置及び地すべり安定解析・対策工詳細設計の他、穴水町・輪島市における災害査定業務、内灘町室地区の液状化・側方流動被害を対象とした産学官共同研究など、斜面災害から液状化被害までを幅広く支えました。その後の、奥能登豪雨等の複合災害にも、砂防施設の調査・設計など、臨機応変に対応しながら、地域の復旧・復興を支えています。

西日本豪雨:砂防分野

平成30年7月豪雨に際し、当社は広島県呉市および三原市における砂防設計を通じて被災地の復旧に貢献しました。宇根川・笠岩川、水尻川、石ヶ鼻川など複数渓流で発生した土石流災害に対し、被災状況を踏まえた砂防堰堤(高さ11.5~14.5m、幅51~100m)の設計を一貫して担当し、前庭保護工・渓流保全工を含む再度災害防止対策を実施しました。緊急性の高い渓流では緊急事業として段階的に堰堤高さを確保するなど、渓流特性・保全対象規模に応じた設計により、地域の安全確保を支えました。

令和元年東日本台風:河川分野

発災直後から阿武隈川本川および支川の破堤箇所において現地調査を実施し、被害状況の把握を行いました。UAV(ドローン)を活用して破堤断面の三次元計測や越流水位痕跡・漏水痕跡の記録などの証拠保全を進めるとともに、堤防形状・堤体材料・基礎地盤・水衝部などを総合的に評価し、越流・侵食・浸透・パイピングといった破堤要因の解析を行いました。あわせて河床材料調査による河道特性の把握も実施し、これらの成果は阿武隈川緊急治水対策プロジェクトなど、その後の復旧・復興および治水対策の基礎資料として活用されました。

表彰:令和元年台風19号に伴う阿武隈川上流地区破堤状況調査(福島河川国道事務所)
   阿武隈川下流被災原因分析業務(仙台河川国道事務所)

令和元年東日本台風:砂防分野

福島県阿武隈川水系荒川では、侵食による河床低下や護岸の被災状況をUAV(ドローン)及び現地踏査により詳細に把握したうえで、施設機能の早期回復と再度災害の防止を目的として床固め工および護岸工の復旧設計を行い、地域の土砂災害リスク低減に貢献しました。
また、甚大な土砂災害が発生した宮城県丸森地区では、再度災害防止を目的とした砂防ダムの新設に係る調査および設計を担当しました。渓流特性や土石流の発生・流下状況、地形・地質条件を踏まえた現地調査を実施し、これらの結果に基づき新設砂防ダムの計画・設計を行うことで、被災地域の安全性確保と土砂災害に対する防災力向上に貢献しました。

道路防災

当社は、道路防災総点検や防災点検において、盛土・切土・自然斜面を対象とした地質調査、安定解析、落石・斜面災害リスク評価を実施し、通行止めや大規模災害の未然防止に貢献しています。さらに、斜面安定解析や盛土安定解析により、安全かつ合理的な道路防災事業を支援しています。また、近年は、地質リスクマネジメントの視点に基づく地質調査・地質評価を実施し、道路防災事業や高速道路4車線化事業の円滑化に寄与しています。
表彰:国道121号日光川治防災他地質調査業務(関東地方整備局)
   大曲鷹巣道路地質調査業務(東北地方整備局)   
   のり面・土木構造物点検業務(甲府河川国道事務所)

河川堤防

河川堤防を対象に、既設堤防の健全度調査や浸透流解析等に基づく堤防強化設計を実施しています。長年にわたり蓄積した地盤調査技術で堤防の築堤履歴・土質構造、基礎地盤の透水性を的確に把握した上で、浸透流解析・安定解析により堤防の安定性を検討し、補強・対策工の検討に反映しています。
表彰:最上川上流管内災害対応業務(山形河川国道事務所)
   雄物川下流芝野地区堤防強化検討業務(秋田河川国道事務所)
   阿武隈川上流安原地区堤防設計検討業務(東北地方整備局)
   矢部川下流地区堤防質的強化調査検討業務(筑後川河川事務所)

構造物耐震

当社では、港湾施設や河川管理施設(堤防・樋門・排水機場等)を対象とした施設の健全度調査や、動的解析や液状化解析による耐震性能照査や補強設計により、地震時の機能保持や損傷軽減に貢献しています。
表彰:宇治川下流地区他河川構造物耐震照査設計業務(淀川河川事務所)
   法川排水機場他耐震照査業務(福知山河川国道事務所)
   八戸港湾海岸鮫町地区耐震対策(耐震性能照査(簡易調査))業務委託(青森県)

ため池

当社では、農業用ため池を対象に、堤体および基礎地盤の構造や老朽化状況を踏まえた安全性評価を行っています。地震時の耐震性評価や、近年激甚化する豪雨時の浸透・越流リスクを解析的に把握し、決壊や変状の要因を整理します。これらの結果をもとに、補補強・対策工の検討へつなげ、防災重点ため池における下流域被害の軽減と地域の安全確保に貢献しています。

斜面・地すべり対策

当社は、能登半島地震で発生した斜面災害や地すべりの調査をはじめ、高精細地形データを活用した道路斜面防災、地すべり地でのトンネル施工に伴う三次元安定解析など、高度な地質リスク評価を実施しています。現地調査から地形判読、物理探査、安定解析、対策工設計まで一貫して対応し、斜面災害の未然防止と復旧・復興に貢献しています。

砂防

当社は、土砂災害防止法に基づく土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所および地すべり危険箇所を対象とした基礎調査をはじめ、警戒区域・特別警戒区域指定に向けた地形・地質調査、数値解析、斜面安定評価を全国で実施しています。また、航空レーザ測量(LPデータ)やUAV、GISを活用した高精度地形判読により、崩壊地形の抽出、土砂移動範囲の評価、災害リスクの可視化を行っています。さらに、土砂災害発生時には被災状況調査や復旧計画立案まで一貫して対応し、地域の防災・減災に貢献しています。

技術連携(中日本航空株式会社)

当社は、中日本航空株式会社との連携により、航空測量・リモートセンシングによる広域・高精度な地形把握技術と、当社の地質・地盤調査、解析、評価技術を相互に活用しています。災害時の迅速な状況把握に加え、防災・減災、インフラ維持管理、斜面・土砂災害対策などで、計画立案から現地調査、データ解析、評価まで一体的に対応し、高度化する防災分野のニーズに応えていきます。

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